5. 藤原元真の作歌法 ―物名歌人の横顔―

   福田智子
 「香椎潟」(福岡女子大学)第44号, pp. 41-50, 平成11年3月

【要旨】
 平安中期の歌人、藤原元真の歌には、既存の歌から切り取った語句や言い回しを組み合わせたものが、他に類を見ないほど多い。そもそも元真は、十代の初めから物名歌をよくし、言葉の操作に重点を置く歌作りをしていた。物名歌を作る者は、和漢兼作であることがままあり、蔵人所には、漢詩に堪能な者が集うという指摘が既にあるが、元真も、蔵人所に出入りすることで、その作歌の資質を磨いたものと思われる。